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サイドストーリー1 イノウエ順子短編集その1 世界は君の思い通り 後編

Author: 彼方
last update Last Updated: 2025-12-21 16:00:00

29.

サイドストーリー1

イノウエ順子短編集その1

世界は君の思い通り 後編

 しばらくネネコのいない生活が続いた。家に帰ると近所にいるはずだがタイミングは合わずにいた。

 しかし、高3になると驚いたことにネネコが新一年生代表として入学してきた。バカな。ネネコの偏差値ならこんな平凡な学校には来るわけない。あいつはアタマいいんだから。

 嬉しいよりも不思議だった。

「なんでこんな学校きてんの」

「別にいーでしょー」

◆◇◆◇

 それからの生活はまたいつものネネコと一緒なおれになってた。帰宅部なおれは帰りこそ1人なはずだが、なぜかネネコも一緒に帰る日が多かった。

「ネネコ、部活は?」

「今日は休み。料理研究会は活動回数週に3回とか2回だから」

「お前、運動神経いいのに運動部行かなかったのか」

「運動するよりお料理美味しいの作れるようになる方が価値あることだと思うのよね」

「……なるほど、それはそうかもな。メシは死ぬまで食うし」

 そんな他愛もないことを話してる毎日だった気がする。ネネコは必要のない化粧をやりはじめた頃ですっぴんの方がキレイだけどなと思いつつ「変な化粧。いらなくね?」と素っ気なさすぎる方法でそれを伝えたが怒られただけだった。それもそうか。これはおれが悪いな。ネネコなりに頑張ってたはずなんだ。なんでそれを汲み取ってやれなかったんだろうな。

 ある日、帰り際に料理研究会に今から行こうというネネコとばったり廊下で会った。

「あっ、てっちゃん今から帰るとこ? そしたらこれついでに下駄箱に入れてきてよ」

「なにコレ」

「先輩に

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